Meta Quest公式ブログより
Meta Quest v72 ソフトウェア・アップデート:シームレスなリモートデスクトップ、ハンドトラッキングの改善など
■Meta Quest v72配布開始
最新の一般配布バージョンとしてv72が2024年12月10日から配布が開始されたと公式ブログにてアナウンスされました。今回も対象は「Meta Quest 3、3S、Meta Quest Pro、Meta Quest 2」です。おそらく2024年最後のアップデート配布になるかと考えられますが、執筆時点では手元のQuest2には配布されていなかったので、順次の展開になるようです。これは自然に配布されてくるをゆっくり待つのが正解なので、とりあえずv72のアップデート内容をざっと確認しておきましょう。
■v72の変更点(公式ブログより引用)
いつもならアップデートリストの告知から引用するのですが、今回は公式ブログが先になっているので、そちらから引用します。
ーーー以下、公式ブログより引用
Windows 11でリモートデスクトップ
Microsoftとの提携により、Meta Quest 3および3SでWindows 11 PCをより自然に拡張機能として活用できるようになります。セットアップが完了すれば、ヘッドセットを装着してPCを見るだけでペアリングが開始され、PC側で何かを操作したりする必要はありません。
Windows 11以降とMeta Quest 3および3Sでこれをデフォルト機能にできるよう現在進めています。今月末には試験的な機能としてリリースする予定で、簡単な手順を踏めばアクセスできるようになります。
PC側:
- ハードウェア要件を確認してください。Meta Quest 3または3Sのヘッドセットと、Windows 11 バージョン 22H2以降を搭載したPCが必要です。
- Microsoft Storeから『Mixed Reality Link』アプリをダウンロードします。インストール後、PCをロック解除したまま、ヘッドセットを装着してください。
Quest側:
- ヘッドセット内の設定メニューを開き、「詳細設定」に進み、「Microsoft Mixed Reality LinkでPCとペアリング」を有効にします。
- QuestがPCを検出すると、PCのキーボード上にペアリングのメッセージが表示されます。メッセージが表示されない場合は、手動でライブラリ内の『リモートデスクトップ』を開くか、もしくは「クイック設定 > リモートデスクトップ > 新しいデバイスを追加」を選択してペアリングを開始することもできます。
- 画面の指示に従い、PCとヘッドセットが完全にペアリングされるまで進めてください。
ペアリングが完了すると、PCを見てキーボード上部に表示される「接続」ボタンを押すか、「クイック設定 > リモートデスクトップ」を選択することで、いつでもPCに再接続できます。
今回、試験的な機能ですが、お届けできることを嬉しく思っており、ご意見やご感想もお待ちしています。一般的な問題については、ヘッドセットの不具合を報告するか、これらの手順に従って、PC上のMixed Reality LinkアプリとQuest上のWindowsアプリに関するフィードバックを提出してください。
キーボードトラッキングの進化
数年前、VR内でキーボードを表示して見えるようにし、ホームポジションを簡単に見つけて作業を進められるように、キーボードトラッキング機能を導入しました。ただし、この機能は当時、ごく限られたキーボードにしか対応していませんでした。
v72では、より汎用的なキーボードトラッキングシステムを提供します。今回のアップデートにより、近くにあるどのキーボードでもQuestが自動的に検出・トラッキングし、没入環境内でもキーボードの場所にダイナミックなパススルーのウィンドウを生成できます。つまり、利用者が好きな作業空間で、現実のキーボードを使いながら作業を進められるようになります。
この機能は、v72の配信開始時に一部のMeta Quest利用者に提供し、徐々に対応範囲を拡大していく予定です。
ハンドトラッキング 2.3
まるで魔法のように感じられるハンドトラッキング機能によって、ヘッドセットを装着するだけで、動画を観たり、作業をこなしたり、さらにはゲームを楽しんだりということが、コントローラーに触れることなく操作できます。
今年、Metaはハンドトラッキングの体験をよりシームレスにできるよう取り組んできましたが、v72で大幅に進化したハンドトラッキング機能「Hands 2.3」を導入します。このリリースにより、ハンドラッキングの安定性、正確性と利用しやすさが向上し、手を使ったQuestの操作がさらに簡単になります。
https://youtube.com/watch?v=0yx4V1655eA%3Fautoplay%3D0%26color%3Dwhite%26cc_lang_pref%3Den%26cc_load_policy%3D0%26enablejsapi%3D1%26frameborder%3D0%26hl%3Den%26rel%3D0%26origin%3Dhttps%253A%252F%252Fwww.meta.com
v72の一環として、今後数週間にわたりHorizon OSで以下の機能改良を段階的に展開していきます。
- ユニバーサルメニューを操作する際に、ハンドカーソルの安定性と反応性を向上します。
- ピンチ操作中のカーソルの安定性を高め、選択したい項目をより簡単に選べるようにします。
- つまんでからのドラッグ操作(例えば、ブラウザのタブを新しいウィンドウにドラッグする際)の反応速度と安定性を向上します。
- トラベルモードを使う時など、狭いスペースでも手を使いやすくします。
- カーソルを使って位置を選択する手のポインターの可視化機能を追加します。
今年は、特にハンドトラッキング機能に注力していますが、これらのv72のアップデートはその中でも最新かつ最も大きな進化です。例えば、「ハンドスティーリング」現象(他人の手や自分の足、さらにはペットなどを誤認識する現象)が大幅に軽減していることに気付いた方もいるかもしれません。また、Meta Quest 3Sでは暗闇でもハンドトラッキングを使用できるようになりました。深夜のフライトや夜遅くの映画鑑賞にも最適です。
Instagramのメッセージ機能(DM)
今年10月に、Meta Quest向けの新しいInstagramアプリをリリースしました。このアプリを使用すれば、ヘッドセットを外すことなく、フィードを閲覧したり、友達のストーリーズの確認やリールを視聴したりすることができます。
この度、Meta QuestでもInstagramのメッセージ機能(DM)が使えるようになります。これにより、Meta QuestのInstagramアプリからリールやストーリーズ、投稿を友達と簡単にシェアしたり、週末の予定についてチャットしたりできるようになります。タイピングを減らしたい場合は音声入力を利用したり、音声メッセージを送ることもできます。
Meta QuestでInstagramアプリを開き、左側のナビゲーションバーにあるメッセージ機能のアイコンを探して、チャットを始めることができます。
メディアギャラリー
Meta Horizon OSの新しい『メディアギャラリー』を使用することで、スクリーンショットや録画データなどをより簡単に管理できるようになります。
本アプリは、v72アップデート後にライブラリ内に表示されます。『メディアギャラリー』を開くと、Meta Questヘッドセット内の動画(空間ビデオも含む)、写真、スクリーンショットなどにすぐにアクセスできます。お気に入りのコンテンツを表示したり、必要に応じて画像や動画を整理して空き容量を確保したり、すべてをバックアップして友達と過ごした素晴らしい瞬間などを残すこともできます。
ーーーー引用、以上
■気になった変更点
今回のアップデートではWindows11との連携強化がかなりクローズアップされています。細かなところは上記引用文章を確認いただくとして、Quest3シリーズでのMR利用が前提かな?という機能ではありますが、Quest2も対象外とはなっていないので完全ではないですが、使用することは可能なようですのでこれは手元の実機で配信後に確認してみたいと考えております。なお、その一環でキーボードトラッキングが強化されていたりします。あと、このためにアプリをWindows11側に入れる必要もあるので、気軽に試すというレベルをちょっと超えておりますが、興味持たれた方はぜひやってみるといいかな?というものです。とはいえ、ヘッドセットしたままWindows11を操作するというシチュエーションはまだまだ長時間利用は難しいところですので、あくまで一時的な利用というところですが、ヘッドセットがより小型・軽量化されれば、MRでの業務が現実的になってくるかもしれません。そういう意味では近未来を体験できるというところでしょうかね?
あと、ハンドトラッキングも強化されています。これは地味に嬉しいところです。Quest3単体でのフルトラッキングなんて話もありますから、コントローラーが必要なくなる日もそう遠くないのかもしれません。しかし、こうやって機能がどんどん強化されてくるとQuest3が欲しくなってくるのは、metaうまいなぁと感じるところです。ハードウェアとそれを活かすソフトウェアが揃ってこそというのをそのまま王道で実現しているわけですから。
■本日のまとめ
本日はMeta Quest v72のアップデート内容を確認し、気になったポイントを簡単にサマリーいたしました。2024年最後のアップデートにしてかなり気合いが入った内容となっており、恐らく2025年はより3シリーズ特化のアップデートになっていくんだろうなと感じさせる内容となっております。Quest2ユーザーがそろそろQuest3の購入を検討すべき時期なのかもしれません。年末年始のセールがあるかも?なので見逃せないところですね!なお、弊社ではVR/MR関連のアプリ企画立案や開発、サービス展開のご支援も行っております。ぜひお声掛けください!