※Microsoft公式コミュニティより
Microsoft 365 におけるビデオの未来(表題は自動翻訳)
■Microsoft 365「ビデオ統合スタートページ」
表題はそれなりの年齢の人向けですのであしからず。さて、Office 365になったあたりからMicrosoftが試行錯誤し続けているオフィススィートにおけるビデオ配信・利活用。その一環で結構前に登場して夢は見せるが現実も教えてくれたのが「Stream」でした。社内動画配信が遂に気軽に!?というよな夢は見せてくれるのですが、その実装状況で数々の方々が厚い壁に跳ね返されてきたのは個人的な記憶には鮮明に刻まれております。
しかし!ついにMicrosoftが動画配信エンジンだけでなく、クラウド動画編集アプリもよいものを手に入れたことや、生成AIエンジンとの連動まで含めて「ビデオを統合的に活用する」スタートページを自信をもってリニューアルして提供するというではないですか!ついにあのStreamが日の目を見るのか!!!とムネアツ展開と言いたいところなのですが、そうは問屋が卸すはずもなく。夢のお話というより現実的なこれからのMicrosoft 365の動画活用について見解を書いてみようかと考えております。
■とにかくポイントになるのはClipchamp
今回のビデオ利活用関連の全体像は元記事を参照いただくとして、まず認識しておかないといけないのはどうやって動画を用意するか?です。そういう意味でMicrosoftは最高のツールをMicrosoft 365に組み込みました。それがClipchampです。もともとはMicrosoftのものではなく一般向けに提供されていた独立ソフトウェアであり、その操作の手軽さや扱いやすさで多くのユーザーの支持を集めていたものを、Microsoftが2021年に買収したという経緯があります。なお、Microsoft黒歴史で「買収するとたいていあーなる」という事例からはちゃんと逃れており、基本機能はそのままにMicrosoftサービスとの連携をしっかり積み上げてきたもので、個人的にも簡単な動画編集に使用していたこともあります。有償プランを利用しておりましたが、豊富なテンプレートやわかりやすい操作性。フルクラウドなのでクライアントへの負担もすくないとライト用途の動画編集であればこれでいいんじゃないか?と言える素晴らしいソフトウェアです。
そんなClipchampがMicrosoft 365に組み込まれると以前発表があり、すこしだけここでも触れておりますが、動画制作環境をMicrosoft 365ユーザーすべてに利用できる環境をつくり、そのうえで様々な利活用方法を用意する。なんともMicrosoftらしくならスマートな展開プランを今回は進んでおりますので、素直に考えればやっと社内動画活用時代がくる!と言いたいところですがもちろん懸念点はあるわけです。
■管理者サイドからみた懸念点
ここまで上辺で綺麗事を並べてきましたが、テクノロジー的に言えば今回はShare Pointのポータル部分であったり、配信テクノロジーであるSteam、編集関連はClipChampが担い、Microsoft激推しのCopilotがサポートしてくれるという構造になっています。
そもそもですが、Share PointとSteamの活用で問題になったのが権限管理でした。誰がどの動画をどうみられるようにするのか?という企業内であっても権限管理というのは永遠の悩みの種です。この部分がどうにも使い勝手が悪かったことが多くの屍を生み出した原因だったわけですが、この部分はちょっとはよくなっておりますが根本的にはEnta IDの設計だったりもともとどういう権限設計を想定していたか?に依存します。Power系でもそうですが、エンドユーザーに無責任配布してしまうと「野良アプリ」「野良データ」が氾濫するという無法地帯になることは過去の歴史が証明しており、やはり統制は必要です。しかし、Microsoft 365は理想ほど簡単には制御ができません。今回のClipChampにしても配布計画をしっかり立てないと、なんといってもクラウドバックエンドの動画編集ですので、社内インフラやプロキシの容量を圧迫する可能性は十分に高く、インフラとの調整も当然必要になってきます。
このように実はMicrosoft 365のアプリ展開の難題はそのままなのに、ユーザーにとって魅力的なソリューションだけが提供されるという管理者にとっては実は頭が痛いニュースというのが今回のお話だったりします。
■現実的な対応策
ここまでユーザーにとってはありがたいが、管理者にとっては頭が痛いニュースであるとお話してまりいましたが、管理者の都合だけでこれらを全て機能オフにするという時代でもないので、現実的な対応案も本日は提示させていただきます。
まずはEnta IDがどこまできちんと権限管理できる状態になっているのか?を見直す必要があります。この段階で離脱する企業の管理者の方はいまこそ根幹となるIDM関連環境の見直しを行うべきです。今回のようにデータとアプリケーションにユーザーがどう関与するのか?は今後増えることはあっても減ることはありません。例え生成AIが更に進化しても同様です。とにかく根本的に「誰が・何を・いつ・どこで」使っていいのか?閲覧していいのか?これを決めて実現できる環境を整えておく。まずはこれに尽きます。そのうえで社内で動画の利活用がどのような職務のどのような業務で必要なのか?を管理サイドと部門サイドでよく調整することです。バラマキやエンド発の突き上げは持ってのほかです。こういうとこそキチンと双方が理解しながら新しい仕組みを社内に浸透させていく丁寧なプロセスが必要になるのです。千里の道も一歩ということですね。
■まとめ
今回はあのSteamも巻き込まれるMicrosoft 365の動画利活用施策について概要からポイント、管理者が立ち向かう課題や対応の考え方をお話いたしました。実際、Microsoft 365は当初より考えるポイントが増えすぎているので、ただ導入してあとはどうにかなれ!!!ではメールとTeamsだけしか使われないという状況を生みかねないサービスですので、そのあたりは改めて状況分析から計画立案、慎重な実行と進めることをオススメします。なお、弊社のクラウドアウトソーシングサービス「仕ご丸」・ICTサポートプランではAzureやEntaID、IntuneからMicrosoft 365に古くから関わっているコンサルタント・エンジニアがアップデート情報提供も含めた、設計導入から運用アドバイス、運用サポート・代行なども行っておりますので、ちょっと助けてほしいという企業様からのお問い合わせお待ちしております!