夏といえば、プロレス好きならば、
新日本プロレスのヘビー級選手を中心としたシングルリーグ戦である
「G1 CLIMAX」でしょうか。
他の団体でも、YoutubeやAbemaなどで無料で観れる機会も増えたので、
観れる時には観ておりました。
そのプロレスの興行を観ながら、
マーケティングについてぼんやり考えたことを言語化してみました。
■「説得力」を得るためには
プロレスでよく「説得力」という単語が出てきます。
よく使われるのは「説得力のある技」、「説得力のあるフィニッシュ」は、
勝負を決する技に使われます。言い換えるならば必殺技に近いでしょうか。
「説得力のあるマイク」というのもあります。
例えば、チャンピオンにタイトルを賭けて対戦を迫る際に、
リング上で訴える時に使われますね。
キチンとそれまでの状況を整理して説明し、
「チャンピオンは私とタイトルを賭けて勝負するのは必然ですよね」と。
「説得力」という言葉が使われるのは、その試合を観戦しているお客さん、
そのお客さんの中でも対戦相手のファンをも、
「納得」させる必要があるからだと勝手に推測しています。
「説得力」の前に「納得」させることが必要になるのですが、
「納得」させるためにどう「表現」するのが重要じゃないかなと。
■プロレスにおける「表現」とは
プロレスにおける「表現」と考えたとき、
気づきのきっかけになったのは「音」でした。
例えば、エルボーの応酬でも決定的なエルボーは音が「パンッ」いい音がし、
エルボーを喰らった相手も、顎に手をやり、ダメージを受けた表情をする。
「音」で、集中させて、相手のリアクションで、
「このエルボーが勝負を左右させるかもしれない」という表現が伝わったと思うし、
エルボーを放った選手にとっては、
エルボーを繰り返し、勝負所で出すことにより、
納得させる力を積み重ねて、エルボーの説得力が増していく。
エルボーだけでなく、様々な「表現」が積み重なって、観客を「納得」させて、
「説得力」のあるプロレスの一試合になっていき、
盛り上がった試合が一つの興行を盛り上げ、
盛り上がった興行がまとめられて盛り上がったシリーズになっていく。
盛り上がったシリーズが団体を盛り上げていく。
地方で手を抜く団体があるのであれば、その団体自体が盛り下がって行く可能性がある。
団体としての「表現」の一つして対戦カードがあるが、
地方で意図のないカードが並べば、そりゃ盛り下がるよね。
話がずれましたが、重要なのは選手の「表現」する能力が、試合や興行を左右するのかなと。
掛ける技や試合後のマイクだけでなく、
技を受ける際や、タッグマッチなら試合権利のない時の所作など、色々と表現する場があり、
積もり積もった「表現」が、選手や団体の持つ「世界観」になり、
より納得させる力が増して、説得力がより力強いモノになると思います。
■企業に置き換えると
上記の話を企業に置き換えて考えてみると一つの商品やサービスが「選手」になり、
その商品やサービスの魅力が「表現」にあたるのかなと。
マーケティングはその「表現」をどう顧客に魅せるのか?伝えるのか?が最初の一歩になると思います。
時にはヒールターンさせることもありますが、
その商品やサービスが団体=企業を盛り上げるために必要なことであれば全然ありでしょう。
(商品やサービスのヒールターンってなんだっていうのはありますが。。。)
その「表現」を活かして、顧客を「納得」させるのが営業だったりとサイトのUIになり、
商品構成が「世界観」を醸し出し、積み重なって「説得力」が増して、成約率が高まっていきます。
いかに、商品の表現力を高めるために、
どのように魅せる方向性が難しいのはいつの時代もあるとお思います。
例えば、商品やサービス(=開発者の意図)に向き合うのか?顧客に向き合うのか?
マーケットインであれば、顧客の要望をキチンと向き合うべきですし、
プロダクトアウトであれば、商品やサービスにまず向き合い、
その商品やサービスが、顧客の要望に応えられるポイントを見出したり、
ペルソナの設計など顧客に伝わる様々な「表現」を検討する必要があるでしょう。
プロレス団体でも時間が進むと選手が成長し、タイトルマッチに絡める選手が増えてきます。
それぞれの選手がそれぞれのスタイルやキャラクターを見出して、
スタイルやキャラクターを磨いていると思います。
若者や初心者にわかりやすいキャラクターや、古参のファンに受け入れられるスタイルなど、
そのスタイルやキャラクターに心惹かれるファンも多種多様になってくると思います。
企業に置き換えると様々なスタイルやキャラクターの数多くの選手
=企業が取り扱える売上に貢献できる商品やサービスになると思いますが、
それらの商品やサービスがどのような顧客が抱える課題をどのように解決するか、
改めて、被りがないか確認し、
もし被りがある様であれば、「表現」を調整し対象となるペルソナを変えてみたりする必要があるでしょう。
他にもSNSなどの運用など、気になった点は多々あるのですが、
皆さんも改めて自分の趣味に関わる企業などのマーケティング手法を観察することにより、
従事している事業のマーケティング手法を振り返るのもありだと思います。