前回まで、思考方法についてお話ししてきましたが、今回は具体的な話題に落として考えて見ます。
最初の方で出したお題を覚えていますか?
「今の仕事が、自分の将来に役立つかわからず、焦り・不安がある。
あなたは若手として、毎日上役の人の会議に出て、何となく議事録を取らされているとします。
ちょっとした雑務を任されたり、飲み会の幹事なども頼まれたり。
もっと大きな成果の見える仕事がしたいのに、こんな地味な仕事ばかりをやっていて、自分は10年、20年後どうなっているだろう。自分の道は正しいのか、キャリアに漠然とした不安がある」
というものでした。
これを今までに見てきた視座・視野を切り替えて考えるメタ認知で考えてみましょう。
「毎日上役の人の会議に出て、何となく議事録を取らされている」
あなたの目線では、ただ議事録をとっているだけですが、議事録は何の役に立つでしょう?
例えば、仕事上の人間関係や、事象の経緯を俯瞰して見るきっかけになります。
周りの人が何を考えて動いているのか、俯瞰的に観察する練習にもなります。
また、上司の視点からすれば、あなたに議事録を任せることで、5W1Hを意識して要点を掴む練習、抜け漏れを意識する練習、ToDoを洗い出す練習など、さまざまなスキルのブラッシュアップを期待しているかもしれません。
「ちょっとした雑務を任され」
その雑務は何のために行うのでしょう?誰の何の仕事に繋がっていますか?
あなたのその雑務の前後には何かしら誰かの仕事に繋がっています。視野を広げて見ると、何が見えるでしょうか?
「飲み会の幹事」
幹事の仕事は面倒臭いですが、実は幹事という仕事を通して視野、視座を変えて見ると色々なことが見えます。
幹事の仕事は、段取りが命です。
参加者を確認し、好みや食べられないものなどチェック。それに合わせてお店を調整し、費用を算出。時には役職が上の人から傾斜式の会費をお願いすることもあるかもしれません。
時系列にタスクを洗い出し、参加者が楽しめるようターゲットを意識した内容を企画するでしょう。
「段取り八分、仕事二分」という言葉がある通り、事前の準備をきちんと行うことで8割の仕事は完了で、最後の当日でできることは2割くらいしかないという意味です。
幹事は、短い期間の小さなプロジェクトですが、一通り段取りを経験できるという意味でも、事後に評価を身近な人たちから聞けるという意味でも、手軽に経験が積める良い仕事でもあります。
精神的に面倒臭いという気持ちはわかりますけどね……