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ほしい!→なら要らない。となった話。

このコラムは壮大な地続きのストーリーですので、前回のまでの記事を先に読んでいただくと流れがわかりますので是非どうぞ。

吉井(ロビン)千博の記事


SNSで面白い動画を見つけました。

舞台はアメリカだと思うのですが、撮影者の男性が道端でカップルを見つけます。

カップルの男性の方に質問をします。

「今日あなたに無条件で10億円を差し上げます。」

「欲しいですか?」

と問いかけます。

「それは欲しいさ!」と男性は答えます。

撮影者は続けます。

「では、差し上げますが、明日あなたは絶命します。」

「それでも10億円受け取りますか?」

男性は

「それなら要らないよ!」

みなさんも、それなら受け取らないですよね。

撮影者は続けます。

「良いですか。受け取らないんですよね?死んでしまっては意味がない。そう判断しましたよね?明日が続くということは、10億円を超える価値があると言うことですよね。」

とてもいい動画として、いわゆるバズっているんです。

でもここで私はちょっと穿(うが)った見解を。

・まず、10億円はキャッシュで?
・一括でもらえる?
・そもそもあなたは10億のきれいな現金を持っているの?

 相当なひとですよそれ。

結論、「いえ。不要です。むしろあなたは頭大丈夫ですか?」と。

動画を見た瞬間は、ああ、面白いな。と思いましたが、2秒後にこの穿った感覚に陥ってしまいました。

なんてノーファンタジーなのでしょうか。とはいえ。とはいえですよ!

毎日当たり前に過ぎていく1日。当たり前に日が昇って、当たり前に日が沈む。これを多くの方たちは「当たり前」として認識しています。

それを10億円と死の対比で気づかせてくれる。という手法は面白いと思います。

あなたの明日。そしてその先も続くであろう明日は。10億円よりも価値がある。とわかるわけです。

あ、もう一つありました。

自分はもう長くない病気を患っている。日本の生涯年収の中央値は、2億2000万円程度。

ならば、家族のために今日10億をもらって、今日中に家族に渡してしまおう。

何もなくこの世を去るならなんて素敵なことだろう。そう思うケースもあるな。

ではどうでしょう。

これまでの様々な経験から、今にでも消えてしまいたい。

生命を閉じてしまいたい。

そんな方が目の前にいたら、あなたは明日が来る大切さをどのように伝えますか?

私にはその時、最適解が見つからずにいました。

その大切な人とはもう会えなくなりました。