前回、来店されたお客様をファン化させることの重要性、
ロイヤルティの高いお客様同士を繋げて、お店を中心としたコミュニティ形成のお話をいたしましたが、
現在では、コミュニティを生かした資金調達など行われています。
■コミュニティの新たな姿
よく見られるのが、クラウドファンディングを用いた、
ECなどの新規業態や店舗数の拡大などチャレンジのための資金調達を実施しているお店が多々あります。
また、クラウドファンディングを実施したタイミングで優先予約権を付与する会員制を追加するケースもありますが、
まさにロイヤルティを売買するケースだと考えています。
クラウドファンディングでの会員制で特殊なケースですが、会員権を月額制にするケースもあります。
例えば、里親を募集するための保護猫カフェであったり、店舗運営に関わる権利が付与されたりと特殊なケースが多いです。
また、今後はロイヤルティを証明するモノとしてNFTやファントークンの発行など考えられるでしょう。
実際に渋谷のお寿司屋さんがNF Tを発行したことで話題になりました。
これらの事象は興味深く、色々な感情が積み重なっていると思います。
身近な存在であるお店であるが故に、頑張ってほしい、成長してほしい、繁盛してほしいと言った感情が、
ロイヤルティの高いお客様には生まれてくるでしょう。
そして、SNSの力でその感情が波及し、大きな力としてお店を動かす要因になっているでしょう。
また、会社に属し「○○社の〇〇」ですと自分の中で意識しできていたものが、
リモートワーク、ジョブ制での契約などで会社への帰属意識の薄れによる、
帰属意識の補完、そして存在意義を自分の中で見出すために、
お金を出してまでコミュニティへの参加したいという考えがあるかもしれません。
そして、NFTやファントークンの発行は、株式を発行する会社と株主の関係に近く、
NFTやファントークンの価値を上げるために、
ロイヤルティの高いお客様 = NFTやファントークンを購入されたお客様が、
活発にお店の宣伝活動を行なってくれるかもしれません。
目的はお店が繁盛することにより、NFTやファントークンの価値が上がりますので。
■コミュニティは後ろ盾
クラウドファンディングなどは、飲食店だけではなく、
様々な業種で実施されているのを見かけます。
しかし、飲食店系のクラウドファンディングで
達成した案件はもとより、未達成の案件が多数あると思います。
これらの未達成の案件を見ていくと、色々見えてくると思います。
例えば、とある女性の方がキッチンカーでの開業を目指して、
少額の資金調達をクラウドファンディングで挑戦していました。
少し利己的な目標で、リターンも弱い感じがしてましたが、
意外と進捗しており、目標の80%を達成しており、
なぜここまで到達できたのか気になったので、詳しく見てみると納得でした。
彼女はすでにコミュニティを持っていたのです。
とある街のバーで勤務しており、しっかりとお客さんとコミュニケーションを取れている様でした。
想像になりますが、勤務しているバーの店長はじめバーの常連さんから支援を受けているのだろうと、
少しほっこりしました。
逆に到底目標に到達できそうにない案件を見ると、
リターンは良さげなのですが、共感もできない、
コミュニティもない状況ではかなり厳しいと感じ取られました。
この辺りは、クラウドファンディングの各サービスを定期的に見ていくと面白いと思います。
クラウドファンディングを実施するにしても、
コミュニティの有無で大きな差が生まれてくるでしょう。
また、NFTやファントークンに関しては、
税制であったり、法的な部分や、
根本的なブロックチェーン技術のシステム的な部分が、
流動的ですので、将来的な展望としてお考えください。
それこそ、NFTやファントークンの発行は、
ある意味、株式の発行に近いですし、
少額のトークンでの決済もあり得るでしょう。
突き詰めていけば、コミュニティの自走。。。
DAO(分散型自律組織)的な組織にもなり得るでしょう。
コミュニティはマーケティング的に考えれば、
集客をしてくれる装置だったのですが、
今では資金調達が可能な存在にもなりつつあります。
飲食店でも意識して、将来への投資として、コミュニティの形成を目指すべきだと思います。