Gotoです。
本日は様々なもの事においての転換点の見極めについてちょっとだけお話いたします。
第12世代Core、PコアとEコアという2種類のCPUの組み合わせなのになぜRyzenより速い?
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/ubiq/1361961.html
PC WATCHより引用
ジェネレーション(世代)という言葉をよく使われる、
PCなどのIT機器における処理装置を例にいたしますが、
近年苦戦をしていたインテルが12世代Coreの投入で、
どうも潮目が変わったのではないか?と言われるようになりました。
では、今回一体なにが変わったのでしょうか?
ここで意識しておきたいのが、
進化(evolution)であるのか、
変革(change)であるか?
というところです。
とてもよい技術ができるとそれを基にして、
進化をしながら世代を重ねていく。
ここ数年どころか
Coreアーキテクチャーになってからのインテルは、
まさにそうしてきたように見えていました。
製造プロセスの細分化であったり、
処理ロジックの改良であったり、
メモリの増量であったり。
その進化に若干躓いていたところに、
ライバルであるAMDが刷新した
アーキテクチャーを開発したことで、
一気に劣勢に立たされます。
それだけAMDが開発した
新世代アーキテクチャーが優れていた、
ということではあるのですが、
実はAMDですらもいままでの道のりから、
大きく外れるようなことではなく、
あくまで数歩先へジャンプしたという形でした。
それが今回、インテルはARMがスマートフォン向けに展開していた、
big.LITTLEという高パフォーマンスコアと省電力コアを共存させ、
処理によってそれらを使い分けるという手法を、
ついにPCやサーバーの世界に持ち込んだのです。
12世代Coreの内容をよくよく見てみれば、
いままで磨き上げてきた高パフォーマンスコアと、
別ラインで展開していた省電力コアを組み合わせただけ、
と言ってしまえばそこまでなのですが、
これらを組み合わせて1チップ化し、
さらにPCやサーバーの処理において最適化する技術を見つけた、
という部分が変革にあたるところなのです。
11世代までは高パフォーマンスと省電力は別のチップであるべき、
という常識だったところが、それらを両取りし、
さらに処理分散によってパフォーマンスに寄せたり、
省電力に寄せたりできるようにしたと。
同じ1つにチップに複数の性格を与えられるという、
変革を実行したインテルはライバルであるAMDに対して、
一歩先んじたどころか、PCやサーバー向けプロセッサーの
道筋を変えてしまったと言ってもいいのかもしれません。
もちろんARMがスマートフォンという、
蓄電池を基本とし、省電力が前提となる中で、
時にハイパフォーマンスも出すという
お手本があったからこそ、
たどり着いたとは言えますが、
インテルは省電力が主ではなく、
あくまでハイパフォーマンスを主にした上で、
省電力をどう両立させるかの?
という逆のアプローチをしているように見えます。
このように既存技術が、本当の意味で新世代に移行する
いうタイミングは決して多くありません。
日々取り組むもの事で必要とされるもので、
新製品や新バージョンがでるとする場合、
進化なのか変革なのか?を一度意識してみてみると、
その時に選択すべきものなのか?
が少しわかってくるかもしれません。
本日は転換点の見極めというお話をいたしました。
なにかのお役に立てれば幸いです。