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わかりやすいプレスリリースを書くコツ

これまで、広報担当者の仕事とは(https://expression.work/topic2935)や、プレスリリースの作成前に必要な情報収集について(https://expression.work/topic3253)ご紹介してきましたが、今回はプレスリリースの作成についてお話いたします。 

 

読み手にしっかり伝わる文章を書くためには、伝えたいことを明確にし、優先順位をはっきりさせることが大切です。これは、プレスリリースに限らず、あらゆる文章や、プレゼン資料を作成する際に共通することかもしれません。「とりあえず~」と書き始めるとたいていうまくいきません。

当たり前のことですが、骨子をきちんと固めてから肉付けをしていく、という手順を踏むことがわかりやすい文章作成の基本です。

まずは、伝えたいこと(要点)を2~3点に絞り、箇条書きにしてみましょう。これを簡潔に書き出せないようであれば、ネタの絞り込みが不十分です。

つぎに、伝えたい内容に説得力を持たせたり、読み手の理解をスムーズにするようなサービス提供の背景、時代の流れ・ニーズなどの情報を組み合わせ、理解しやすいストーリーをつくりましょう。伝えたい内容と背景などがスムーズにつながることで、理解しやすく読みやすいプレスリリースになります。

例えば、「携帯型の消毒液を販売します」と聞くより、コロナウイルスのまん延により、消毒液を持ち歩きたい人が増えているので、「携帯型の消毒液を販します」と言われた方が、商品の必要性を感じますよね。
コロナと消毒液ほどわかりやすい事例は少ないので、業界について知らない人が聞いても、「そのサービスは必要だな」と納得できるところまでストーリーを作りこんでいくことが必要です。
市場の拡大状況や、想定されるユーザ数などを数値で示すことも効果的です。

こうして必要な要素が十分に集まったら文章の作成に入りましょう。初めてそのサービス・商品を知る人が、どんな順序で説明したらサービスを理解してくれるかを想像しながら、構成を考えます。
すでに商品やサービスをみている自分と、まだみていない人では、理解の仕方が全く違うことを忘れずに。

「すでに類似サービスがあるのか、全く新しいサービスなのか」、「ニーズを想像しやすいものか、潜在的なニーズを掘り起こすようなサービスなのか」など、状況によってわかりやすい構成というのは変わってきます。
この流れで本当にスムーズに伝わるか、自分の親や、友達の顔を思い浮かべながら、なんども文章を読み直してください。つまづいたポイントがあれば、どうしたら解決できるか、根気よく考えてみてください。

背景を先に説明することで、サービスを想像しやすくなったり、競合との違いを話すことで理解しやすくなることもあるので、工夫が必要です。文章にわかりづらい部分があると、読み手はあっさりと離れていきます。

せっかく集めた情報を最後まで読んでもらうためにも、わかりづらい点を一つずつクリアし、最後まで違和感なく読める丁寧な文章に根気よく仕上げましょう。

また、プレスリリースにおいては、単語のチョイスも重要です。

特に専門分野に関するプレスリリースの場合は、社内で使い慣れたワードにこだわらず、誰が聞いてもわかる言葉かどうかを意識しましょう。

ひとつの単語をとっても、そこから思い浮かべるものは、想像以上に人それぞれ違うものです。言葉の使い方で文章がわかりづらくなったり、解釈が変わってってしまうケースは意外と多いものです。

異なるリテラシーやバックグラウンドを持つ人たちの意思疎通をサポートするという意味では、広報の仕事は通訳と似ていると言えるかもしれません。

余談になりますが、お互いに日本語を使ってるだけで、なんとなく相手の話を理解した気になってしまいがちですが、共通認識を持っているはずの社内の会話でも、実は突き詰めていくとお互いの理解にずれがあるものです。

お互いの頭の中はかなり違うものだと認識し、相手の意図を正確に理解たいと思うだけでも、解決される問題があるかもしれません。