こんにちは中国語講師の松浦香奈多です。
中国語は常に新しい言葉が出てきてとても楽しい言語です。
新しい言葉を学ぶことによって中国の現在の政治的スタンス、
経済的な状況、市民の生活などを垣間見る事ができ、とても勉強になります。
さて、今日は最近ニュースを賑わせていた「横たわり族」についてお話したいと思います。
「横たわり族」とは?
ー「結婚せず、子どもをもうけず、家や車も買わず、
最低限の仕事しかしないで簡素な生活を送る若者たち」を指す言葉です。
この言葉の発端はネット上の書き込みでした。
(現在は削除されてしまったようです。)
“好心的旅行家”(善意の旅人)と名乗る者が
「私は、二年仕事をしていないが、周りからのすべてのプレッシャーを捨て去り、
横たわることを自分の信条としているため、生活に満足している」(筆者意訳)
というような書き込みをしました。
この投稿にたくさんの若者の反響があったと言われています。
一方で、共産党体制側は経済成長の阻害要因になるとみて警戒。
ニュースとなるまでになりました。
「横たわり族」の背景
中国はものすごい競争社会。なんにでも一番になることを要求され、
いい大学、いい会社と常に競争を強いられる毎日。
最近では「朝9時から夜9時まで週6日働く」ことを意味する
「996」と呼ばれる言葉が作られるぐらい、
過酷な労働環境状況があり、若者たちは疲弊しきっています。
最近、筆者のアメリカでの中国人の友人が中国に帰国したのだが、
帰国前に今後のキャリアや自分たちの夢について大いに語り合いました。
その中で彼女は私に
「香奈多も知っていると思うけど、中国では996で働くのが当たり前になっているんだよね。
そんな働き方は辛いから、とりあえずはフリーランスで仕事をしていこうと思っているんだ」
と私に語りました。
“人生苦短,开心就行”
この「横たわり」の言葉から派生して、
現在、若者の間では「人生は短いから楽しもう」(筆者意訳)という考えが広がっています。
今まで競争の最前線を走り抜けてきた若者たちが、
はたと立ち止まって自分の本当にしたいことは何だったんだっけ?と考え、
面子のために就職した会社を辞め、自分が楽しいと思う活動を始めています。
私はバブル時代を経験していないのですが、日本にもこのような流れがあったのだと思います。成長を楽しむ人生もいいですが、好きなことを見つけてそれに打ち込む事ができる社会はもっと素敵だと私は信じています。
まとめ
今日は新しい言葉から垣間見える中国の一端を少し紹介できたらと思い文章にしてみました。
経済成長を続ける中国。
ニュースを追っていないと私たちがイメージしている中国はどんどん古びたものになってしまいます。
今日から毎日中国語!私も日々勉強です。一緒に楽しんで勉強しましょう♪
(参考URL:
时政风云 中国“躺平族”都是怎么想的?)