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秘書に適した人

 前回、秘書に不向きな資質について書かせていただきました。では、秘書に適した人たちはどのようなことに気を付けているのでしょうか。秘書を続けていくためのポイントを今回は書いていきたいと思います。

秘書仕事への理解

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 前回不向きな資質についてを書かせていただきました。

 私の持論ですが、それなりの地位につく役員上司の方々は、「秘書に不向きな人」の資質をお持ちであることが多いと思います。

 良くも悪くも、自己顕示欲が強くて勘違いが多少あるから突き進んで来ることができたのではないでしょうか。周囲が見える方はさっき言った内容と真逆の事を、真顔で言い切ったりできません。苦笑いしてしまいますが、役員さんにそういう人は多い気がします。

 しかし上に立つ方は、時にその図太さが必要な時があると思うのです。

 秘書はそういう方々のサポートをする仕事なので、反対の資質が必要になるのでないでしょうか。上司のフォロー、それが秘書仕事の本質なのではないかと思います。

 出会った中で長く秘書を続けている方々は、諦めにも似た思いを持ちながら、一歩引いて仕事をされている印象があります。考えても仕方がない事は流してしまう事も、皆さんお得意です。

 秘書仕事の本質を理解してさえいれば、業務を着実に対応していく力と精神力が自ずとつき、気が付けば適した人になっているのではないかと思います。

意思疎通ができること

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 意思疎通とは「互いの考えを伝えあい、認識を共有すること 」です。

 一を聞いて十を知るまではいかなくても、理解力をあげる事は大切です。理解力が上がると察しが良くなります。これは秘書にはとても大切です。

 ただこの意思疎通、なかなかむずかしいですよね。

 あくまで私のやり方ですが、物事の背景を知ろうとすると、意思は何となく見えてきます。

 何故こんなこと言うのだろう?何故こんな価値観なんだろう?

 一見不要と思われる雑談からも、情報が繋がります。人となりや求めている事が見えてくると、意思疎通が上手く行くようになります。

 私の知っている秘書の話をしますね。

 その方は秘書経験がなかったのですが、企業の副社長秘書に抜擢され 他部署から異動してきました。それ事態はよくあることなのですが、彼女は着任して半年で精神不調になり担当変えしました。その役員のパワハラかと、少しざわざわしました。

 1年ほどして私がその役員を担当することになり、当時の理由が何となく解けました。

引継ぎファイルや過去のやりとりなどを見ていると、彼女と役員の意思が全く噛み合ってないのです。実は単なる意思疎通の欠如、コミュニケーション不足でした。

 その役員は営業一筋の方で、お礼状やご挨拶など相手に感謝や敬意を払う事を何より大切にされていました。ところが、秘書の彼女にその意思は伝わらなかったようです。

 初めての秘書職、そして膨大な業務量をこなすことに必死だったのだと思います。役員の意思は横に置き、秘書室の上司に相談して業務の遂行や優先順位を決めていたようでした。

 こうして意思疎通ができないことで役員のイライラは募ります。

 お互いの思いも噛み合わないから仕事が進まない、つらい。行き詰ってしまった様子が思い浮かびました。

 意図を汲み取って業務を遂行することは、秘書にとって何よりも大切で基本だと思います。自分は不要と思っても、相手が必要と感じることはする。もちろんご本人と相談して決めますが、決して自分の物差しや一般論だけで計らないことです。

 相手への敬意。これは人付き合い全般にも言えますが、特に秘書は対個人での仕事が多いので、常に念頭に置いて業務を行うことが意思疎通のポイントです。