GoogleからChromeのサードパーティーCookieのサポートを2022年までに廃止する方針と発表しましたが、代替技術として『FLoC』を発表しました。
そして、3月中にサードパーティーCookieに代わるよりプライバシーを守れる代替技術である『FLoC』の広告主向けテストを開始し、4月にはChromeブラウザで最初の機能の提供を開始する様です。今回は『FLoC』に関して、詳しく見ていきたいと思います。
■そもそもCookieとは
そもそもCookieとは、「Chrome」や「Safari」などのWebブラウザやWebサーバーに備わっている機能で、情報を一時的に保存しておく機能になります。例えば、ログインが必要になるSNSやECサイトなど毎回、毎回ID、パスワードを入力してログインするのが面倒ですが、Cookieのおかげで一度ログインすれば一定期間ID、パスワードを入力する手間を省いてログインできる様になります。ログイン情報や様々なページの閲覧履歴を、Cookieを用いてWebブラウザやWebサーバーに保存しておくことで、再度訪問した際にCookieを読み出すことで以前の状態から閲覧することが可能になります。
Cookieには2種類あり、ファーストパーティーCookieとサードパーティーCookieに分けられます。まず、ファーストパティーCookieは訪問しているウェブサイトのドメインから直接発行されているCookieになります。それに対して、サードパーティーCookieはWebサイトのドメイン以外のドメインから発行されるCookieになります。
ファーストパーティーCookieはWebブラウザやドメインをまたいで使用することはできませんが、サードパティーCookieはドメインをまたいで使用することが可能で、Web広告は、このサードパーティーCookieを用いてターゲティングを行うのが通例でした。
しかしながら、ここ近年、個人情報保護の観点によりサードパーティーCookieの使用に制限をかけるEU一般データ保護規則(GDPR)や、カリフォルニア州消費者プライバシー法(CCPA)が施行され、日本でも改正個人情報保護法が可決されています。
■代替としての『FloC』
Appleはいち早くサードパーティーCookieを禁止しましたが、GoogleもChromeでの2022年までのサードパーティーCookieの廃止を発表し、2021年1月25日に公式ブログにて、サードパーティーCookieに匹敵するパフォーマンスの『FloC』を発表しました。
『FloC』はFederated Learning of Cohorts(連合学習のコホート)の略語になります。コホートとは同じ属性を持つユーザーグループを意味します。AIを用いてWebサイトを訪問したユーザーのデータを分析し、数多のユーザーの集合体であるコホートを作り、収集したユーザーの個人データは共有せず、作成されたコホートを元にターゲティングを行うそうです。Googleがテストを行ったところ、FLoCを使ったターゲティングは、Cookieベースの広告の最低95%のパフォーマンスを達成したそうです。
しかし、Appleと比べ、個人情報保護の観点ではGoogleの『FloC』は完全に解決していない様に思えます。Googleはどこかで落とし所を探っている様に思えます。
今後も注目が必要になります。