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カスタマージャーニー

前回、消費者の購買行動について纏めました。お客様がどの様に商品を知って、どの様な行動をして、購入に至ったのか?時代の流れ=メディアの流れと共に変化している様は、分かって頂けたと思います。では、お客様と、どのタイミングで、どの様なコミュニケーションを取ればよいのでしょうか?これらを考える前にお客様が購買に至るまでのプロセスを可視化したもの=カスタマージャーニーマップを製作する事をお勧めします。カスタマージャーニーマップを作っておけば、プロモーションの立案であったり、KPIツリーでの分析であったり、開発者や運営者などマーケティング以外との共通認識が持ちやすくなります。

■カスタマージャーニーマップを作る前に

では、カスタマージャーニーマップを作る上で、まず、準備するのは、お客様が購買に至るまでのプロセスを調べる必要になります。前回お話させて頂いたのは、あくまでも、消費者の購買行動であって、そのままカスタマージャーニーマップに当てはまる時もありますが、今回は「お客様」が購入に至ったプロセスですので、正確には購入に至った「お客様」の数だけ、カスタマージャーニーマップがあります。ただ、顧客の数だけカスタマージャーニーマップを作るのは無理なので、まずは商品を開発する際に意識したユーザー像を基にペルソナの設定していくのが無難でしょうか。
ちなみに、ターゲティングとペルソナの違いって何でしょうか?ターゲティングとは例えば、「30~40歳男性」であったり、「趣味がDIY」であったりと、ざっくりとしたイメージになります。ペルソナはターゲティングと異なって、かなり具体化させて、「34歳男性、○○市在住、賃貸マンションに在住で、メーカー勤務で役職はB2Bの営業部係長、休日の過ごし方は。。。。」とまるで、実際に実在すると思えるくらいまで作り込むのがペルソナになります。ただ、ペルソナを作り込むのが面倒な場合、開発にする際にイメージしたユーザー像に近しい身の回りの友人、知人をペルソナとしてそのまま使うのもアリだと思います。

■ペルソナの設定とは

ペルソナの設定をして、まず、何をするかと言うと、日頃何をしているのか考えましょう。もし、ペルソナが実際にいる人であれば、日頃の行動を観察したり、ヒアリングを行います。例えば、下記のような方がいたとしましょう。
【ペルソナ】
【想定のパーソナリティ】性別:男 年齢:34歳
○○県○○市在住
XX株式会社勤務、営業部係長28歳の時に現在の企業に入社し、32歳で係長に昇進独身会社から少し離れた賃貸マンションに住んでいる
趣味は学生時代から続けているサッカーで、今もフットサルをしている意外と甘い物好き
行動の特徴としては、流行や情報には敏感であるが、積極的に情報を収集してはいない判断は、決定までは時間が掛かるが、決定後は行動が早い
【とある一日の行動】
朝、TVをつけながら朝食と身支度
通勤中の電車の中で△△経済新聞をWebで確認午前中は社内で資料制作と営業会議に参加
ランチタイムに職場の仲間と中華料理屋で昼食をとりつつ、キュレーションアプリでニュースチェック
午後からは、電車で移動し、2社往訪したのち帰社
少し残業を行い、会社近くの居酒屋で大学時代の同級生と飲み会
帰宅中のタクシーの中で、SNSの確認帰宅途中にコンビニに立ち寄り、明日の朝食やアイスクリームを購入
帰宅後、入浴、その後、Spotifyで音楽を聴きながら、アイスクリームを食べつつネットサーフィンTVの深夜のバラエティー番組を見て、就寝

この中で、接触メディアをピックアップすると・・・・TV・駅や電車の広告・新聞(Web)・キュレーションアプリ
・街頭広告・タクシー内の広告・SNS・コンビニ・Webメディア

。。。といった感じですかね。細かい所を言うと、中華料理屋とか居酒屋にタッチパネルで注文できるタブレットがあったり、テーブルやトレイに広告枠駅や通勤電車の中の広告も紙なのか、デジタルサイネージなのか?とか。。。。もっと言うと、往訪先や居酒屋に行く途中でアドトラックにすれ違ってないかとか、ランチの中華料理屋や居酒屋のトイレに広告があったのか?Spotifyが有料会員なのか無料会員なのか?、ネットサーフィンで何を見ているのか?。。。。細かく見ていけばキリがないですが、ここでは一旦置いておきます。

■簡単にカスタマージャーニーマップを作ってみる

そんな彼が帰宅途中のコンビニで新商品のアイスクリームを買いました。さて、どの様に新商品を知り、購入に至ったのか?例えば、キュレーションアプリで商品を知り、飲み会の後、帰宅途中でSNSで話題になっているのを確認して、コンビニで購入したとヒアリングできていれば、消費者購買行動で説明したAIDMAに当てはめると、下記の様な図になります。

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で、その時の心理状況を加えると下記の様になります。

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彼の様な購買客を増やしたいと考えたアイスクリームメーカーは、どの様な施策を打つべきか?と悩むところ、
カスタマージャーニーマップを作る事ができれば、購買客との接点である「キュレーションアプリ」「SNS」「コンビニ店頭」と絞り込む事ができます。これらをカスタマージャーニーマップに組み込むと下記の様になります。

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マーケティングやプロモーションを考える際に、なんとなくお客様の行動や心の変化の遷移は頭の中でイメージができていると思います。
そのなんとなくのイメージを具現化したものがカスタマージャーニーと言えるでしょう。状況であったり、商材により、カスタマージャーニーの構造は変化します。例えば、車であったり、住宅などであれば、対象になる人が増えますし、B2Bであれば、意思決定者・導入担当者・決済者・利用者と状況により対象が異なります。下記はB2Bのツールベンダーの簡単なカスタマージャーニーマップになります。


マーケティング担当者としては、当然と思える事もマーケティングに関わらない方々には分からない事が数多くあります。カスタマージャーニーマップを作ることにより、プロモーション施策の意味だけでなく、マーケティング以外の観点での欠落している部分など発見があるかも知れません。ただ、お客様の数だけカスタマージャーニーマップが存在すると最初にいいましたが、対象となるペルソナ をキチンと定めてから作らないと、それこそ不毛な議論になる恐れがあります。