はじめまして。羽木です。
今回、ブログを書くにあたり、「マーケティングのあるある」というお題を頂きまして、
色々なプロダクトに関わってきて、よく陥るパターンとして、「KGI」と「KPI」を勘違いしているケースが多々ある様に垣間見られます。

今回、ブログを書くにあたり、「マーケティングのあるある」というお題を頂きまして、
色々なプロダクトに関わってきて、よく陥るパターンとして、「KGI」と「KPI」を勘違いしているケースが多々ある様に垣間見られます。

■KGIとKPIとKFS

このブログを読んでいらっしゃる方に、釈迦に説法になるかもしれませんが、KGIと言うのは、Key Goal Indicatorを略した言葉で、重要目標達成指標と呼ばれ、ビジネスの最終目標を定量的に評価する指標になります。例えば、売上であったり利益額、利益率、営業部門でしたら、成約件数など当てはまります。
同様に、KPIはKey Performance Indicatorを略した言葉になり、重要業績評価指標とも呼ばれます。上記のKGIを達成するための各プロセスを定量的に評価するための指標になります。例えば、来訪者数であったり、成約率、継続率とプロダクト毎に異なります。

平たく言えば、KGIは結果を観察する指標であり、KPIはKGIを達成する為の過程を観察する指標になります。
似た様な言葉でKFSと言う言葉もあります。KFSはKey Success Factorを略した言葉になり、ビジネスを成功させるためにキーとなる要因と言う言葉になります。
後で説明しますKPIツリーの上位のKPIがそれに当たる場合もありますし、KPIと異なる場合もありますので、今回は省略致します。
まず、KGI、KPIの設定の仕方ですが、KGIはその企業、プロダクトの最終目標になりますので、売上目標、利益目標、市場シェアがそれに当たります。KGIの設定が出来ましたら、KGIの要因となるべき要素を分解して計測すべき指標がKPIになります。また、このKPIの要因となるべき要素を分解して、細かなKPIを設定します。これらのKGI、KPIの関連性に紐付け、ツリー形状に並べた物をKPIツリーと呼びます。

KPI

■KPIの一人歩き

まず、このKPIツリーを理解して、初めてKPIの意味が成すのですが、
KPIだけ一人歩きしてしまうケースが多々ある様に見受けられます。
上のレイヤーの方々はKGI、KPIを見ていますが、
(KGIしか見ていないケースも多々ありますが)現場に近いレイヤーへ行くほど、自分の関わるKPIしか見ていない、
最も言うと、全体的なKPIツリーを把握せずに、KPI=KGIになっているのかなと。もっと言うと、単純な数字と捉えているケースもありました。

現場に近いレイヤーであれば、まだ、知らないケースが多いので是正が効きますが、上のレイヤーでも似た様なケースがありました。
以前、とあるスマートフォンゲームのマーケティング全般を担当しておりまして、取っ掛りとして、ゲームの様々な数字を眺めておりまして、根本的な課題として、継続率が壊滅的と言うのが分かりました。ですが、そのゲームのディレクターを含めた定例の運営ミーティングに参加したら、全く継続率の話が出てこない!むしろ、課金率の話がメインで・・・えっと、分母が小さい状況で、どれだけ課金率の話をしても、アラブの石油王が課金しない限りKGIには達しないです(笑)

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■KPIツリーの使い方と注意点

KPIツリーと言うのはよく分かりやすいもので、KGIに対して階層を持って紐づけられていますが、この紐づけられている=連動していると言うのがよく分かります。DAUが上がれば、CVRは下がるだろうし、課金率が上がれば、継続率は下がるケースが多いです。その辺りをキチンと把握し、プロダクトに関わる方々に共有する為に、
KPIツリーに数字を書き込んでみると分かりやすいです。

数字を書き込んだKPIツリーを期間毎に並べてみると、根本的な問題点が浮き上がってきます。
以前、担当したスマートフォンゲームを例に挙げると、
KGIはリリースしたばかりと言うのもあって、売上でした。
当然の如く、KGIは未達で短略的に売上周りの数字に注視しがちですが、実際はDAUが少ない事が根本的に分かりました。そこでDAUを細分化して、新規流入と既存ユーザーに分けると、既存ユーザーの数が、新規流入の数を鑑みると圧倒的に少ない事が分かりました。既存ユーザーを細分化して、新規流入したタイミングから翌日の継続率が低い事が判明。この事実を元に離脱ポイントを計測して、チュートリアルの完走率が低い状態で、早速、チュートリアルの改善を行いました。そうすると、改善した後に改めて計測するとチュートリアルの完走率も上がり、翌日継続率も向上しました。元々翌々日の継続率以降は、平均的な継続率で、売上周りの数字も平均的なゲームでしたので、継続率の改善のみで、売上が半年後には20倍までに上がりました。
今回のケースは、プロダクトの設計自体は悪くなかったので、
継続率のテコ入れがキッカケで上手く回り出したのですが、もっと酷いプロダクトも多々ありまして。。。この様な場合、KPIツリーでの分析以前に根本的な問題があると考えられます。そもそものプロダクトのポートフォリオ分析や、4P・4C分析などを用いて、市場分析を行った方が、問題点に近づくかもしれません。

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■KPIツリーの複雑化

ここ最近思うのは、Webでは数字が見え過ぎてしまう事が問題かなと思える時が多々あります。
KPIの細分化のみでは、KGIと如何に紐付いているかを考えた時に、
KPIツリーの多層化が進み、より複雑化していきます。また、プロダクトリリース時に想定していたKPIツリーを構成しているKPI以外に、新たな要素のKPIの計測や、因果関係の見極めなど発生します。分析する人間としては、数字を突き詰めたい気持ちも分かりますので、
その際はじっくりと時間を掛けて分析し、優先順位をつけて、常にチェックすべきKPIなのかどうか、判断しましょう。ただ、KPIツリーが複雑化すればするほど、KPIの一人歩きの危険性が高まります。

KGIに必要のない課題を発見してしまう可能性も多々あると思います。
分析専門の部門があればいいのですが、なかなか環境の整った体制が取れている企業は、まだまだ少ないと思います。細分化して分析する事は悪くありませんが、分析に時間を費やすのも、他の業務に影響が出るのも問題です。
細分化して分析できる環境を準備する、手立てだけを立てておき、基本的には、毎月一回とか一定の期間で計測し、問題が出た場合や違和感を感じた場合に細分化して分析する事がベターと考えております。簡略化されたKPIツリーで日頃の確認、何か問題が発生した際に複雑化したKPIツリーでの分析を行えば、工数の削減にもつながります。
では、KPIの計測をどの様に行うか?と言うと、
webではあればGoogl Analyticsであったり、アドエビスなどがそれに当たるでしょうか。
アプリであればGoogle Firebaseをはじめ、Adjust、AppsFlyerなどツールを使うのが一般的ですね。実際に営業している場合では、CRMツールであったり、SFAが計測ツールの機能になるでしょうか。他にも、テレアポであったり、ロジステックに特化したツールもあります。
次回は、計測ツールであったり、CRMツールをはじめ諸々の業務効率化ツール導入のあるあるを纏めてみようと思います。